こちらの記事では為替相場を対象とするFX(証拠金取引)と、
ビットコインの相場を対象とするFXの「違い」および「比較」として、

・為替FXとビットコインFXの「リスク」の比較
・為替FXとビットコインFXの「レバレッジ条件」の違いと比較

これらに視点を向けた「特徴」や「違い」を解説していきたいと思います。

為替FXとビットコインFXの「収益性」「取引条件」の違いについては、
別途、以下の記事でそれらを比較していますので併せて参考にしてください。

為替FXとビットコインFXはどっちが稼げるのかの収益比較。

為替FXとビットコインFXのスプレッド、取引手数料の比較。

為替FXとビットコインFXの大きな違いはリスクとレバレッジ。

レバレッジを利用したトレードを前提とするFX(証拠金取引)においては、

「値動きの変動(ボラリティ)が激しいビットコインのレバレッジ取引はリスクが高い」
「値動きの変動が緩やかな為替相場のレバレッジ取引の方がローリスク」

このように考えているトレーダーも多いのではないかと思います。
 
ですが、実際には「レートの変動率(ボラリティの大きさ)」と、
トレード(FX)における「リスクの大きさ」は比例するものではなく
レート変動率の大きさとリスクの大小は実質的に無関係なのが実情です。
 
そもそも、トレード(FX)における「リスクの大小」は、

「自らが行うトレード(売買)でどれくらいの損失を伴う可能性があるのか」

この「度合い」や「大小」に左右されるものに他なりません。
 
そして、そのような「リスクの大小」は実質的に、

・どのような基準でどれくらいのポジションを建てるのか
・どのくらいのレバレッジ倍率でポジションを建てるのか
・どのような基準で損切りを行うのか(どのくらいの含み損を許容するのか)

このような「トレーダー次第」となるトレード時の資金管理や損切りの基準に左右されます。
 
実際のトレード(売買)において、そこに伴う「損失の範囲」は、
値動きの大きさで決まるものではなく、トレーダー側が自ら定めていく

『売買の基準やルールによって、そのリスクの大小が左右される」

という事です。
 
ただ、トレード(FX)における「リスク」を正しく理解できていないトレーダーほど、
値動きの変動が激しい通貨ペアやビットコインの相場などを敬遠する傾向にあり、
そのようなトレーダーは、おそらく実際のトレードでも負けている傾向にあります。
 
普段のトレード(売買)においても、自らの売買の「リスク」を、
正しく理解できていない状況で売買を行っている可能性が非常に高いからです。

 
それこそ、FXにおける「追証」や「強制ロスカット」などの状況は、
相場における「値動きの大きさ」が、その要因となっているのではなく、

「そのような状況に陥ってしまうような売買を行っている事」

に最大の要因(敗因)があるわけです。
 
とは言え、考え方によっては「トレーダーの想定を超える大きな値動きが生じた事」で、
トレーダーが想定していた以上のリスク(損失)が伴うケースもあるかもしれません。

 
ですが、そのような視点でトレード(FX)における「リスク」を捉えるのであれば、

「想定を超えるような大きな値動きが生じる可能性や頻度」

これこそが、トレーダーの想定を超えるリスク(損失)を生み出す要因とも言えるため、
その「可能性」や「頻度」が高い相場ほど『リスクが高い』という事になります。
 
ただ、そのような視点で為替相場とビットコインの相場を比較するなら、
想定外の大きな値動きが伴う頻度は為替相場の方が圧倒的に多いのが実情です。
 
要するにこれは「普段の値動き」と「大きな値動き」の『強弱(緩急)』にあたるため、
ビットコインの相場は「常に大きく変動している」という特性がある事に対して、
為替相場は、普段の値動きは小さいものの、動く時には大きく動く傾向にあります。
 
つまり、日常的に大きな値動きが「当たり前」のビットコインの相場と比較して、

「為替相場は、その強弱や緩急の差が激しい傾向にある」

という事です。
 

相場の強弱、緩急の「差」が想定外の損失(リスク)を高める。

FXにおけるトレードでレバレッジを用いて売買を行っていく場合には、
そのレバレッジ倍率に伴うポジションの「数量」に対して、
その後の値動きで、どれくらいの「損失(含み損)」が伴っていくのか。
 
実際にトレードを行うトレーダーは、そこを把握してポジションを建てるはずです。
 
それこそ「普段の値動きの変動範囲」から、一定範囲の値動きを「想定」した上で、

「追証」「強制ロスカット」「資金の大半を失ってしまうような損失」

ここまでには至らないであろうポジションを建てているはずなんです。
 
ですが、実際にFXで致命的な損失を生んでしまうトレーダーが後を絶たないのは、
結局のところ、その「想定」を超える値動きが実際の相場に生じているからに他なりません。
 
もちろん、ビットコインの相場でも、為替の相場でも、大きな値動きはありますが、
値動きが小さい時と大きい時の「緩急の差」は断然、為替相場の方が大きい傾向にあります。
 
それこそ、為替相場を対象とするFXでは、海外の取引会社を利用して、
数百倍ものハイレバレッジを使っているようなトレーダーも少なくありません。
 
また、国内の取引会社を利用しているFXトレーダーも、
10倍、20倍といったレバレッジ倍率を普通に使っていると思います。
 
これは日頃の値動きがそこまで大きくはないからこそ使えるレバレッジ倍率であり、
小さな値動きから大きなリターンを得るためにハイレバレッジなトレードを行っているわけです。

 
ですが、そんな中で、相場がポジションと逆方向に大きな変動を伴った場合などは、
ハイレバレッジなポジションを建てているほど損失が一気に膨れ上がります。
 
その結果、追証、強制ロスカットといった状況に陥ってしまうんです。
 
ですが、ビットコインの相場は日頃から値動きの変動が激しいため、

「100倍以上のレバレッジを使っているようなトレーダーは皆無」

です。
 
ビットコインの相場は日頃から大きな値動きの変動を伴うため、

・100倍のようなレバレッジ倍率ではすぐに資金がショートしてしまう
・ノーレバレッジ、ローレバレッジでも十分なリターンを得られる

というのが実情のため、そもそも高いレバレッジを使う必要が無く、
私なども、普段のトレードでは、ほとんど「レバレッジ」は使っていません。
 
仮に使っても、せいぜい、2倍や4倍といったレベルの倍率を使うくらいで、
それくらいでも、値動きの変動が大きいため、十分なリターンを狙えるわけです。
 
そのような視点でビットコインのFXと為替相場のFXの「リスク」を比較した場合、

・為替FX:普段の小さい値動きでは高いレバレッジを使わなければ稼げない
・BTC-FX:普段から値動きの変動が激しいためレバレッジは最小限で十分

という実情があり、現実に為替FXを行っているトレーダーの多くは、
高いレバレッジを使ってFX(トレード)を行っている傾向にあります。
 
逆にビットコインFXを行っているトレーダーの多くは、
そこまで高いレバレッジを使っていない(使う必要が無い)ため、

・急激な変動が伴う可能性がある相場でハイレバレッジなトレードを行っているトレーダー
・常に大きな値動きが伴う相場でローレバレッジなトレードを行っているトレーダー

このような視点でそれぞれを比較した場合に「高いリスク」を背負っているのは、
圧倒的に「前者」の為替相場を対象としているFXトレーダーの方です。

 
このような現実的な視点や、実際にトレードを行っているトレーダーの実情において、
ハイリスクなトレードを行っているのは圧倒的に為替FXのトレーダーの方であり、

「さほど高いレバレッジ倍率に伴うリスクを背負う必要がない」
「レバレッジに伴うリスクを背負わなくても十分なリターンを実現できる」

という点でビットコインFXの方が「ローリスク」な環境下で、
為替FXと同等か、むしろそれ以上のリターンも追及できるという事です。

***

以上、この記事では為替相場を対象とするFXとビットコインFX、
それぞれのレバレッジ倍率とそれに伴うリスクの違を比較してみました。
 
ここでも言及した、それぞれの「具体的な収益率(リターン)の違い」は、
以下の記事で、別途、比較していますので、こちらも併せて参考にしてください。

為替FXとビットコインFXはどっちが稼げるのかの収益比較。